2019.03.20

【法律コラム】国際ロマンス詐欺―なぜ騙されたのか?

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「国際ロマンス詐欺」とは

「国際ロマンス詐欺」とは、SNSで知り合った日本人女性から金銭をだまし取る事件のことです。
この「国際ロマンス詐欺」で、複数の外国人が逮捕されました。
 
自分は海外で働く軍人だと偽って、英語でやり取りを行い、軍服姿の写真を送って信用させた上で、お金を要求するといった手口が代表的な方法だと報道されています。
 
SNSが登場する前でも、これと似た手口、例えば高学歴、高収入を装って近づき、交際や結婚をほのめかして、金銭を詐取するといった事件はありました。

事件の特徴

  • ●出会いをマッチングするSNSが利用されていること
  • ●外国人の男性が相手だということ

 
いかにも現代的です。
 
出会いの場としてSNSを利用することは、現代ではもはや珍しいことではありません。それどころか、結婚相手を探すツールとしても利用されていて、実際に結婚まで至った夫婦も少なくないと言います。
 
「国際ロマンス詐欺」に話を戻します。こういう詐欺事件が起きた時に、「なぜ騙されるのか」といった疑問を多くの人が持ちます。
 

「なぜ騙されるのか」

引用:@SCRKO1

 
「私だったら騙されないのに」、「騙される方がおかしい」と、多くの人が思います。
 
詐欺にあった人の多くが、日ごろから「自分は絶対騙されない」と思っていると言います。

ここに詐欺事件の怖さがあります。例えば、いきなり外国人と知り合って「お金を貸してください」と言われれば、恐らくすべての人が断るでしょう。
 
しかし、この「国際ロマンス詐欺」では、初対面(SNS上)から段々と親しくなり、お互いの身の上話をするようになり、そしてお金の話が出てくるのです。

引用:@RRice_com

 
つまり、他人には見えない二人の長いストーリーが、隠されているのです。
 
恐らく騙された女性も、「怪しいな」という気持ちがどこかにあるはずですが、それを上回る程の抑えがたい気持ちが徐々に出来上がり、お金の話が出る頃には、相手に対する愛情とともに、同情にも似た感情ができていたはずです。
 
今回、詐欺で逮捕されましたが、実は「詐欺罪」を立証することは、意外とハードルが高いのです。
 
少し難しい話になりますが、「詐欺罪」には、

  • ●「人を欺く行為」
  • ●「その行為によって被害者が騙される」
  • ●「財産の引き渡しや処分が行われる」
  • ●「前の3つの行為に因果関係がある」

という4つの要件が必要です。
 
例えば、加害者が「騙すつもりはなかった。ただ借りようとしただけ」と言い張った場合に、裁判でその発言を覆すだけの証拠が必要です。

騙すつもりがあったか、なかったという心の問題ですから、意外と立証は難しいのです。
 
もちろん、被害者は民事で、渡した金銭を取り返すという方法は残っています。