更新:2020.05.28 作成:2020.05.28

【法律コラム】「奥さんにバラされたくないならお金ちょうだい」は脅迫罪!?

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脅迫罪に該当するか?

出会い系サイトでは、時に脅迫まがいのトラブルに巻き込まれることもあります。以下の事例は、実際に被害に遭った男性の体験談です。

―私には妻がいますが、子どもはなく、夫婦二人で暮らしています。平穏な生活を送っていますが、何か刺激が欲しいと思って、「出会い系サイト」に登録してみました。しばらくして、自分の好みの女性と出会うことができました。住んでいる住所が近いことがわかると意気投合し、お互いの情報を交換するまでになりました。相手の女性は、現在未婚ながら離婚経験があり、子どもはいないとのことでした。私も、自分の家庭状況や仕事内容などを話しました。

しばらく話をした後、どこか場所を変えようかと提案したところ、突然彼女が豹変しました。「知らない女と二人で遊んでいることを奥さんに言われたくなかったら、お金をちょうだい」と言い出したのです。彼女に私の住んでいるマンションを教えたので、直接やって来ないか心配です。脅迫罪で訴えることはできますか?―

 

法的なことから申し上げれば、彼女の取った行動は、刑法の「脅迫罪」に当たる可能性が高いと思います。

「脅迫罪」と聞くと、相手を脅して金品を要求するというイメージですが、犯罪が成立するための要件は、次のようにまとめられます。
―本人や親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対して害を加えることを告げて人を脅す場合―

これを彼女の発言に当てはめると、「知らない女と二人で遊んでいることを奥さんに言われたくなかったら」という言葉は、男性の名誉に対して害を加える意図が伺えます。しかも、「お金をちょうだい」と言って、金銭の要求までしていますから、正真正銘の「脅迫罪」だと言えます。

「脅迫罪」の量刑は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金(刑法第222条)と規定されています。しかも、被害者が刑事告訴しない限り起訴されないという「親告罪」ではありませんから、「脅迫罪」が成立した時点で、起訴される可能性が高い犯罪です。

この男性の場合、警察に刑事告訴すれば、警察が調査を行うことになります。あるいは、自分で警察に行くのはハードルが高いと思われるのであれば、専門家に依頼して、代わりに刑事告発するという方法もあります。

ただ、男性の相談内容の真意は、「いつか女性が妻に暴露するのではないか。それを止めるのはどうしたらいいのか」ということでしょう。そうであれば、彼女に対して、次のように告げてください。

 

―妻に暴露されるのが嫌なら、金銭を払えとあなたが言われたことは、『脅迫罪』に当たります。『親告罪』ではないので、私が訴えなくても犯罪が成立します。量刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。せっかく縁があって知り合いましたが、これ以上関わったら、お互い面倒なことになりますから、今後一切連絡を取り合うことはやめましょう。―

 

このように告げれば、ほとんどのケースで解決すると思います。

実際に逮捕されたケースあり!

“板橋区議恐喝未遂容疑で女逮捕 「既婚隠され悔しい」―警視庁”
時事ドットコムニュース

 

このケースは「500万もってこい」と複数メールを送り、お金を取りに出向いたことにより恐喝罪で逮捕されました。
婚活サイトなのに相手が既婚だったなど類似の口コミは当サイトにも寄せられますが、嘘をつかれた側は金銭での解決は望めないと思っておきましょう。