【監修者のインタビュー】井上 通夫氏


監修者プロフィール紹介

井上通夫先生
井上 通夫氏
経歴
・福岡大学法学部法律学科(憲法・行政法専攻)卒
・大学卒業後、日本信販株式会社(現三菱UFJニコス)入社
・その後、福岡の大手学習塾勤務(国語・英語担当)
・平成18年度行政書士試験合格
・平成20年7月に福岡市内で行政書士事務所開業~現在、相続・遺言、民事法務(内容証明、契約書・離婚協議書作成等)から公益法人(財団・社団法人)業務まで幅広く担当。
行政書士 井上法律事務所
https://egyoseishoshi.jp/12649

監修を引き受けた理由

「出会い系サイト」は、未知の人とマッチングするツールとして登場し、かなりの時間が経っています。
後発のSNSに比べると、一般的な印象として未だにネガティブなイメージがあります。
これは、「出会い系サイト」がマッチングツールの先駆者であるがゆえ、黎明期に消費者がその扱いに戸惑い、トラブルが目立った印象が未だにあるためだと考えます。
現在、時間をかけて淘汰、洗練されているはずですが、消費者に対してその有用性が正しく届いていないのではないかと思います。
私は、行政書士としての知識を生かし、法律的な観点からコラムを監修することで、このツールの安全性、信頼性に貢献したいと思います。

「出会い系の虎」に井上通夫先生が求めている法律的見解

「出会い系サイト」は、あくまでも民間のサービスです。従って、基本的に責任はサービスを利用する消費者に委ねられるべきで、過剰に行政などが介入するものではありません。
しかし、提供する側の事業者、利用する消費者に不利益が生じることがあってはなりません。特に、法的な知識に詳しくない消費者を保護する必要があるのは、当然のことです。そのためには、消費者がこのサイトに対する正しい認識を持った上で、正しい利用方法、安全、安心な利用方法が、周知されなければなりません。またその大前提としては、サイトが消費者に対して、適法な使用方法を提示することだと考えます。

記事の監修を行う上で気を付けていること

私が気を付けているのは、次の2点です。

1つ目は、記事の信憑性です。

新聞やテレビなどがニュースを伝える際に、「○○によると」と必ずニュースソースを前置きします。これは、媒体がきちんと裏取りを行ったことの証です。記事、情報は正確さ、信憑性が命です。監修を行う上で、記事や情報の信憑性について、チェックを行いたいと思います。

2つ目は、記事、情報の有益性です。

大衆に情報を伝える以上、民間からの情報であっても公益性、有益性がないといけません。書かれた記事に公益性、有益性がある否かの視点でチェックしたいと考えています。

ネットでの出会いで気をつけたほうがいいことをアドバイス

前述したように、「出会い系サイト」は便利で有用なツールですが、それだけに最も気を付けたいことは、犯罪に巻き込まれないことです。
最も考えられるケースは、相手が18歳未満と知らずに会って、「青少年育成条例」(いわゆる「淫行条例」)に抵触する行為です。もし18歳未満であることを知らないと主張しても、地域によっては罪に問われることにもなりかねません。
また、実際に会った人が結婚をにおわせて金銭を要求する、いわゆる「結婚詐欺」である場合も考えられます。
いずれにしても、相手方と実際に会う、その人と金銭のやり取りを行うことには、細心の注意を払い、責任ある行動に心がけるべきです。